両膝が外側に湾曲したO脚や、その逆のX脚。変形が激しく、膝関節に負担がかかり続けると、病気の要因となることも。歩行に支障が出ないためにも、正しい知識と今からできる心がけを覚えておこう。
O脚もX脚も下肢の変形を指し、医療的にはO脚を内反膝、X脚を外反膝と称す。O脚だと両膝が外側に、X脚だと内側に湾曲した状態となる。多くが生理的な脚の形状と考えられ心配はないが、痛みや激しい変形、歩行に支障がある際は病的要因も考えられる。
O脚やX脚の診断では、はだしの立ち姿や歩き姿を観察して評価するほか、X線撮影で大腿骨と脛骨(けいこつ)がなす角度を計測する。正常な角度は176~178度で、この角度がより大きくなればO脚、小さくなればX脚となる。
生理的な要因では遺伝性があげられ、日本人はO脚が多く、西洋人はX脚が多いと言われている。乳児は基本的にO脚であり2歳頃までに真っすぐな脚になる。成長するに従っていったんX脚に転じ、3~4歳頃にX脚はピークを迎える。その後は徐々に真っすぐになるのが一般的だが、その変化には個人差がある。
小児においてO脚変形が生じる疾患には、くる病や骨異形成症、ブラント病といった骨の病気がある。青壮年期以降のO脚は、加齢や肥満などが原因で膝関節の軟骨がすり減る変形性膝関節症で生じることが多い。X脚では発育性股関節形成不全、変形性股関節症や関節リウマチが関係する。こうした病気の治療が進むと変形の症状が軽くなる場合もある。骨折や半月板損傷など外傷による変形もあり、変形がひどく痛みを伴えば、手術が行われることもある。
姿勢や歩き方、生活習慣など後天的な環境要因から、O脚やX脚になることもある。
「農作業に多いしゃがみ込みの姿勢や、重いものを持つ、正座などの動作が続くと、O脚になりやすい」と話すのは、広島国際大学(東広島市)総合リハビリテーション学部の内田茂博講師。加齢による膝軟骨の減少や、肥満による膝への負荷でも、O脚の変形の程度が激しくなるという。
生理的なO脚、X脚の場合は基本的に治療の必要はない。しかしO脚やX脚の形態が、膝関節への負担を増大させ、病気の発症につながることもある。「O脚の程度がひどいと膝の内側の関節軟骨に負荷がかかり、変形性膝関節症の発症リスクが高まる」と話すのは北里大学病院(相模原市)整形外科の迎学医師。また「X脚だと内股の体勢で股関節に痛みが出やすく、足首にも負担がかかるので運動中に靱帯損傷や捻挫が発症しやすい」と内田氏。
こうした健康障害を予防するには「股関節の回旋の柔軟性や膝まわりの筋力を高めることが効果的」とコンディション・ラボ(横浜市)所長で理学療法士の園部俊晴氏は助言する。「股関節の内側、外側への回旋が偏っているとO脚やX脚を助長するので、ストレッチで柔軟性を高めることが望まれる」とのこと。また、O脚は膝の内側の筋肉を、X脚は外側の筋肉を鍛えるのがよいという。
さらに、膝に負担のかからない歩行のサポートで、痛みの症状や足の形状に合わせた足底板(インソール)の使用も効果的だ。「医師の診断で作成する場合は治療用装具として認められ、医療保険が適用される」と迎医師。材質や作成の形状などで費用には幅があり一足数千円~2万円ほどが一般的なようだ。
現段階で痛みや歩行に支障のないO脚やX脚だったとしても、健康的な老後に向けて今から膝への負担は減らしておきたい。体重増加に気をつけ、予防的エクササイズを行うのが望ましいだろう。
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